入院DAYS - 2022 1日目
闘病と乱闘 / 2022.10.24
憂鬱だ。昨日からずっと憂鬱なのだ。ゆ・う・う・つ、何度も打ちたくなってしまう程に憂鬱である。荷造りなんて一向に進まないし食欲だって減退している。なんだか胃の調子が良くない気すらしている。毎年そうだけど、今年は何故か例年以上に強い気持ちで身体が訴えている。憂鬱なのだ、と。この曇天、突然降った大粒の雨、実に夢見が悪かった深夜。私の小さな世界が、今まさに憂鬱と繋がっている。
薄ら寒い朝、どんより雲と手を取り合ってどんよりとした私は病院に向かった。途中、ちょっと本気で今日は気分じゃないから病院の最寄駅では降りずに、このまま遠くへ行こうかなんて考えてしまったけれど、残念な事に私は病院に到着していた。
受付を済ませ病棟へ赴き身長と体重と血圧を測り、今日の担当看護師と話をして薬剤師の質問に答え病棟担当の医師に求められるがまま説明を受けた事柄への同意書にサインを書き、研修医が点滴のルートを取るのをそっと眺め、午後からの色々に備える。私の憂鬱さなど無視し、世界はなんと滑らかに時を進めていくのか。あまりに残酷で言葉も出ない。
お昼ご飯
そんな病院でのわずかに残った楽しみとは一体なんだろう、片手で掴めるほどのささやかでおぼろげな希望。それは食事だ。
そして今日、私はそのささやかでおぼろげな希望から強い光を掴んだのだ。いつも塩分制限食が出されているのに今年は一般食が出た。心の中では「なんと!うっひょー、うそだろーマジかよー」くらいの情熱を抱えながら、静かにただ淡々とお茶を汲んだ。
麦ご飯150g、鯖の塩焼き80g、大根おろし、卯の花炒め、青菜の土佐和え
例年ご飯の量が180gと多くて、それをそのまま無邪気に食べていると身体が重たくなるわ胃が疲れるわで良い事が全くなく、結果半分しか食べないなんてことをしていたが、今年はご飯の量が150gと来た。
ベストだ。これこそまさしくベストな量だ。久し振りに食べる卯の花、我が愛しの鯖の塩焼き、青菜もいい。なんと素晴らしい構成だろう。
大部屋が埋まっていた事に対するショックが割と大きかったのに、この食事を前にした途端憂鬱と繋がっていたはずの私は世界に祝福されているのではないだろうかと錯覚さえ起こしたのだ。鯖の力は計り知れない。なんと素晴らしい、まるでファンファーレを浴びているかのようだった。
まぁ、昨日からの食欲減退が影響していて150gのご飯であっても半分しか食べられなかったけど。
今日の検査
例年の、毎年恒例の入院で行う検査はいくつかあって、右心カテーテル・六分間歩行・呼吸機能検査.そしてレントゲン。大体最初に課せられるのがレントゲンで、もちろん一瞬で終わるから散歩がてら行くかくらいの気楽さで肺の撮影をしに行って、終わったら病院内を軽くぐるっと歩きコンビニに寄って戻ってくる。
個人的には初日、つまり今日中に六分間歩行も済ませておきたい、なんなら呼吸機能検査も終えてしまいたい。なのに、レントゲン以外は今日する予定ではないと。早い、あまりにも早いよ、ファンファーレ、消えてしまうのが。まるで掌から零れ落ちてゆく砂の城。
夕ご飯
食べ切れなかった昼食が胃の中でまだ踊っている。我々は此処にいる、そんな主張が聞こえて来そうなほど消化が進んでいないのに、遠慮の欠片もなく夕食は届けられる。
病院が悪いのではない。私がいけないのだ。胃は頑健でなく沢山収めることもままならず、だから基本的に1日に2食しか食べていない、この私がいけないのだ。私の胃などお構いなしに夕食は容赦無くやってくる。
シーフードピラフ210g、コンソメスープ、チキンの香草焼き70g、サラダ、マンゴー(缶)
一般食が出たことに歓喜していたのは、いつのことだろう。あまりにも呆気なく崩れ去った一般食。しっかりと塩分制限食の表記が記された献立表が乗っていた。一般食だなどと浮かれさせておいて、すぐに突き落とすのか。いい性格しているね。
そんなことを思いながら献立表を見ると、食塩相当量が3.2gと記載されていた。塩分制限とは一体なんなのか。昼食の食塩相当量は1.9gと書かれていた。そして夕食に3.2g。合計すると5.1g。私が朝食の塩分を0.9g以内に収めたとでも思っているのか?そんな甘っちょろい考えで本当に後悔しないか?いいのか?こっちは朝から梅干しを食べてきてるんだぞ。
まったく、塩分制限とはなんなのだろう。私は知らぬ間に不思議の国にでも迷い込んだのか。
そんなことを思いながら食べたシーフードピラフ210g、多いよ。あまりにも多い。味はまぁそれなりな、冷凍の野菜ミックスと冷凍のミックスシーフードとご飯を入れて調理したであろうピラフ、ピラフの素かな?溶けきってないかな?と思わしき濃い味部分があったピラフ、こういうの嫌いじゃないよ。ご飯がパラパラで美味しかった。多いけどね、量は。
私を太らせようと言うのかい、そんな言葉が出て来そうな量だと思うけれど、おそらく私が少食なだけだろう。こういう病院食はどの辺の胃袋をメインターゲットとして捉えているのだろう。病院食は少なくて足りない買い足さないと持たない、なんて人もきっと沢山いるんだろう。それはそれで大変だろうが、私はそういう人間になりたい。
明日は右心カテーテル
憂鬱だ。結局最後は憂鬱に戻ってきてしまう。
明日の右心カテーテル検査、2例目だと伝えられた。これがまた憂鬱に拍車をかけてくる。ほんの些細な事なのに、憂鬱になってしまう。朝食抜くのに2例目なんて、腹ペコじゃないか!(腹ペコになるくらいが丁度良いはずだけど)
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