今年も梅干しを作る その壱
作る! / 2019.06.21
「減塩?は?なんだそれ。」
初夏、必ずそう思う日が来る。
必ず毎回そう思う。梅干しを作る時だけは、強くそう思っている。つまり減塩なんて軟弱なことは、しない。
減塩梅干しが世の中に出回っていることも、無塩梅干しなるものが存在していることも知っているが、やはりどうしても梅干しを作る時に減塩に向かうのには抵抗がある。「保存食」に対して「保存」の理念から外れる行為は基本的にはしたくない。
出来るなら梅干し1粒丸ごと口に放り込んで味わいたいが、それも叶わぬ世界に来てしまった。しかしそれでも減塩には手を出したくない。食べる量・料理に使う量を調節する方向でどうにかしたいのだ。
なので、梅干しを作る時は塩分16%にしている。
ちなみに昔ながらの梅干しは、塩分が20〜25%程度で漬けられている。20代前半に20%で漬けた事があるけど、もうまさしく「おばあちゃんが漬けたやつ!」そんな味だった。一言で表すなら強烈。
さすがにそれを作り続けるのは厳しいから、「常温で保存できる」ギリギリと云われている16%で漬けるようにしている。
毎年大体3kg漬けている。今年は5kgにしようかと思いつつ、結局3kgに落ち着いた。
毎日食べれるものではなくなったから、あまり沢山作ってもね。去年のものも少し残っているし。
作り始めた頃から、毎年どんな塩を使うかを悩み続けてきた。今年は以前使って、とても良かった記憶がある"粟国の塩"を選んでみた。藻塩にするか粟国か悩んだが、今年は粟国に軍配が。
これから重石をして梅酢が上がってくるのを今か今かと待ち、その後重石を軽くして紫蘇を投入する。紫蘇は去年惚れ込んだものが手に入ったら使うことにしよう。そうでなければ、白梅干しで行く。無事、手に入るかな。
十数年前まで、夏が嫌いだった。もう何よりも憎んでいると云っても大袈裟ではないくらい嫌いだった。夏バテがひどく食欲も途端に落ちて、常にしんどい。何よりも眩しい。暑さよりも世界の眩しさに参っていた。前を向いて歩けない、下を向いてもアスファルトの照り返しにやられる。夏の日差しと対峙しなければならない状況で、私は下を向きながら手で目を覆ってアスファルトの照り返しからの刺激を軽減させつつ影を探してコソ泥みたいな歩き方で過ごしていた。大阪に住んでいた頃。
梅干しを作るようになってから、夏への憎しみや嫌悪はかなり軽減された。その強い陽射しが天日干しの時に恵みをもたらすのだ、そう思いながら過ごすようになった。大阪から東京に移ってからは、単純に陽射しの強さが変わって、随分楽になった。最近は東京も参ってしまうような夏を演出してくるけれど。それでもやはり、恵みだと思っている。梅干しを作り始めなければ生まれなかった感情だろう。
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