親について、一体どれだけのことを知っているだろうか
ザレゴト / 2019.08.19
子供の頃からパイナップルがとにかく好きだ。毎日食べ続けても全く飽きず、実際2、3ヶ月は余裕で毎朝食べ続けていられる。毎日毎日食べていながら、最初の一口目を噛み締めた後に出てくるのが「パイナップルって本当に美味しい…」だから、それを聞いた友人(同居)はさすがにちょっと驚いていた。
自分の好き嫌いは当然ながら、友人は何が好物で何が食べれないかも多少なりとは知っているけれど、案外両親のそういうものを私は知らない。
だから実家に帰省した時、両親に好き嫌いを聞いてみた。
母親も父親も「大好物ー!」ってほどの、どうしても食べたいー!と思うものはないそうだ。もう、早速潰された感が溢れている。コンマ何秒?ってスピード感で潰しにきた我が両親、手強い。
父親はまぁ職業柄、それこそ色んな美味しいものを山程食べてきただろうから、もう70を過ぎた今となってはそんなものなのかもしれない。
母親に大好物がない、すぐには浮かばないと言われたのは意外だと思ったけど、よく考えてみれば父親が若干胃もたれしそうな程の愛情を詰め込んで作った料理を食べて来たし、何か食べたいものが浮かぶとすぐに全て提供されて来たから、もはや好物云々の概念が欠落してしまったのかもしれない。
餡子が好きなのは昔から知ってるけど、それ以上の情報は得られなかった。
嫌いなものの方が出てこないかなーと思ったら、こっちの話の方が饒舌だった。びっくりした。すぐ答えてきた。
父親はスウェーデンにあるニシンの塩漬を缶の中で発酵させたシュールストレミングと、北海道や東北地方にある飯寿司(※)だと、若干勢い付いて語ってくれた。
「そういうのは、無理だなー。鮒鮨は美味しいと思って食べれるけど、米の形が残ってる熟鮓(なれずし)なんかは食べられへんなぁ。」
と、好き嫌いでよく得られるであろう回答に掠りもせず、なんだかとてつもなく強烈な料理をすんなりと挙げてきた。元料理人は、そんな「嫌いな食べ物」で真っ先に名前が出てこなそうなものを瞬間的に出してくるものなのだろうか。もしくは、本当にそれくらいしかないのだろうか。
そして母親の嫌いなものはパクチーなどの香りが無駄に強い系だった。わかるよ、母!私もパクチーは大嫌いだ、最近の狂ったパクチーブームなど消滅すればいいと思っているよ!
パクチーも(父親が)庭で育ててたらしいから、さぞ苦労しただろうな…と思う。私が近くにいたら育ってきたパクチーを、そっと確実に仕留めていたのに。
香りが強い系以外の話が出て来なかったけれど、昔茹でたり煮たりした鶏肉が苦手だった彼女は、その辺克服してしまったのだろうか。鶏肉の皮がブニブニしているのがダメだと20年くらい前に聞いた覚えがあるのだけれど、父親との二人暮らしも長くなってきた日々では、そんなこと言ってられないのだろうか。
取り敢えず、好き嫌いについてはなんとなく分かった。分かったのか?もうちょっと日常に沿った回答を求めていたんだけど、まぁいいや。今度の帰省時には何を聞き出そうかな。
仲良くやってるようだから、そのまま元気に日々を過ごしてもらいたい。
※飯寿司(いずし)は、米麹、魚、野菜を樽の中で漬けて乳酸発酵させた、なれずしの一種。冬の保存食として北海道や東北地方で食べられてきた、年末やお正月に欠かせない郷土料理のひとつ。
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