外食-美味しい食事の色々 / 2020.01.18

それは年末のお話。

仕事を納めたら、うどん！うどんを食べに行こう！と強く誘われた。正確に云うと、神保町にある丸香に行こうじゃないか、と。私を誘ったその人は無類のうどん好きで、なのに丸香で「とり天」に恋してしまったようで、とにかく丸香のとり天が食べたいんだと強い思いを抱えて向かってきた。

では行きましょう、その日はまだ営業していますね。そう確認して行ったはいいが、年末のお休み前の2日間は通常メニューは一切無く「しっぽくの年越しそば」と、しっぽくの「そばとうどんの相盛り」のみ。揚げ物が海老天・海老ちくわ天・鯛ちくわ天と、「とり天」の文字が一切なく…実に解りやすくしょんぼりする同行者。それでも納得させる方向へ気持ちをシフトさせていく、偉い同行者。

私は、何も納得できなかった。

カオナシのように、「あっあっ…」と言葉にならない声を、だたそっと小さく出していた。

丸香は何も悪くない、我々が情報不足のまま行っただけなのだ。

しかし！

もう口の中は「ざる」とか「ぶっかけ」とか「とり天」だったのだ。つまり、後戻りは出来ないのだ。変な声出してる場合ではなく！静かな情熱を腹に抱え、なんとかそっとさり気なくしょんぼりさんの気持ちを別のうどん屋に向かわせようと思っていたら彼女もやはり気持ちの整理がつかないようで（大袈裟）、我々は列を外れる事となった。

歩いた先に待っていた一福

丸香を離れて、じゃぁ何処に行こうか？

一番誓いうどんは丸亀製麺、更にもう少し歩いたら「一福」があるとのことで、折角だから一福まで足を延ばそう！と話が素敵なまとまりを見せた。実のところ、丸亀製麺も一福も入った事がないから「どっちでもOKだよ！」そんな気分ではあった。

食券を買うスタイルの店は、いつも気持ちがバタバタする。

早く決めなければならない、しかし既に食べるものは決まっている。とは云え、まだ悩む余地はあるような状態だ、なのに早く買わなければ後ろがつかえてしまう。なんて悩ましいのか食券スタイル。

と思いながら食券を買い注文したのが「ぶっかけ（冷）中＆とり天」。まるでとり天の呪いかのように滑らかな動きでとり天ボタンを食券機で押していた。ここはカレーうどんがとても有名らしいが、さすがに塩分的にアウト・オブ・アウトだから（ぶっかけうどんも、まぁどちらかと云えばアウトなんだけど…）今後も選択する事はないんだろうな、と思いつつ一口くらい食べてみたいなと心の中でつぶやいてみたり。

ピントが甘いのなんて関係ないやい！そんな気持ちで寄る、美味しそうなうどん。

これがとても美味しかった。いりこの感じは丸香の方が強いかなぁ？と思うけど、このうどんがとにかく非常に美味しかった。

さぬき！！

そんな勢いのある見事なうどんで、なんだかとても嬉しくなってしまった。冷を食べたし、人の出入りが多い為に扉が頻繁に開いて、ちょっと寒かったけど…気持ち的には温かだった。

是非また行きたいし、また食べたいうどんだった。「かけ（温）＋おあげ」なんか、大阪育ちとしてはそそられてしまうよね。

ん？とり天？とり天は、「まぁ、とり天だな」そんな感じだったよ。美味しかったけどね。

讃岐うどん